「1分間瞑想法」を読んで

数年前から、瞑想が注目を浴びている。
瞑想が幸福度や生産性を上げることが科学的に証明され始めたのだ。
少し神気臭くて嫌だったんだけど、僕は科学は信じるので、一冊本を読んでみることにした。
そして手に取ったのがこの本だ。

タイトルは1分間瞑想法だが、1分でできる瞑想の方法論を説くものではない。
瞑想のやり方はいたってシンプルだ。
背筋を伸ばして、呼吸に意識を集中するだけだ。
呼吸は鼻で行い、目は半開きか軽く閉じているのがいい。

この本はマインドフルネス的なものの捉え方や生活スタイル全般を解説したものだ。
マインドフルネスとは今この瞬間に全意識を向けることだ。
期待とは少しズレていたが、日常生活でマインドフルネスを実践するというアイデアは本書で初めて知った。
神気臭い所もあったが、読むとストンと腑に落ちるような文章だった。

「無」にならなくていい

マインドフルネスの目的は「気づく」ことです。
「気づき」が連続することで「無」になることはありますが、「無」になることが目的ではありません。

瞑想は心を無にすることだと思っている人が多いが、そうではない。
雲のように流れていく思考に気づくのが重要で、それに気づいてもジャッジすることはせず、通り過ぎるのを待つのだ。
そして、ひたすら呼吸に集中する。

僕は瞑想し終わった時のリセットされた感じが好きだ。
PCを再起動するように、裏で走っていた余計なプログラムが除去されたような感覚だ。

日常生活でマインドフルネスを実践する

筆者は日常生活で一番幸福度を下げているのは「自責」と「反芻」だという。
人はぼんやりと考え事をしているうちに、自分を責めたり、ふと嫌なことを繰り返し思い出してしまう。
うん、なんだか自分にも覚えがあるような気がする。
このような状態をマインドフルネスとは逆にマインドレスネスと呼ぶ。

マインドレスネスで繰り返し「自責」と「反芻」を繰り返すうちに、それが癖になり、ネガティブな人格を形成してしまう。
ぼんやりとこのような思考を巡らせるのではなく、そのような思考に陥ったことに気づくことが重要だ。

頭の中に浮かんだことを書き出すなどの解決策も書かれていたが、僕はそれには賛同できない。
そんなことを毎日続けられるはずがないし、そのソリューションはなんだかチープだ。
自分の思考に客観的に気づけたら徐々に変わっていけると思う。

他人に共感する

最後に本書で僕が気に入った文章を紹介したい。

その人が悲しんでいる姿を思い浮かべましょう。
がっかりしたり、怒ったり、混乱したり、うろたえたり、泣き崩れたりしています。

その人が幸せなところを想像してみます。
喜んだり、笑ったり、はしゃいだり、安らぎやつながりを感じています。
その気持ちを想像してみましょう。

筆者はマインドフルネスによって感情に気づくことで、他人に共感できるようにもなるという。
僕は人への同情心が希薄な人間だと思う。
相手の人生にまで想像を膨らませることができず、相手が憎らしい悪魔のように見えてしまうことがある。
しかし、誰だって様々な苦楽を乗り越えてきた人間なのだ。
怒りがふつふつと湧いてきた時に、この文章を思い出せれば、相手を思いやって少しは怒りも沈められそうなものだ。

他にもアドラー心理学と被るような内容もあって、筆者の考え方には共感できた部分が多い。
結構おすすめだ。

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